事前相談・ご意見を送る ▷
ホーム › コラム › 【国税庁】飲食料品消費税率1%への引下げ特例と対応策まとめ

【国税庁】飲食料品消費税率1%への引下げ特例と対応策まとめ

2026年10月18日

消費税率の引下げに関する特設サイトを公開・更新しました。令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、飲食料品に係る消費税率が1%(国・地方合計)に引き下げられる予定です。本制度の適用は法案の可決・成立が前提となりますが、事業者向けには課税選択の特例や簡易課税の計算特例、総額表示の猶予期間など、多岐にわたる措置が盛り込まれています。

1. 飲食料品の消費税率1%引下げの概要と対象期間

この制度により、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、対象となる飲食料品の消費税率が1%に引き下げられます。この措置は、令和8年9月15日に閣議決定された大綱に基づくもので、今後の国会審議を経て正式に決定される見通しです。

  • 適用期間:令和9年4月1日から令和11年3月31日まで
  • 適用税率:1%(国税と地方消費税の合計)
  • 対象品目:飲食料品の販売および保税地域から引き取られる飲食料品。具体的には、食品表示法に規定する食品(酒類を除く)や、一定の要件を満たす一体資産が対象です。これは、令和9年3月31日以前の軽減税率(8%)の対象範囲と同様です。

また、令和9年4月1日以後に行われる販売であっても、令和9年1月1日前に締結した定期供給契約に基づき同日前に対価を領収している場合や、一定の通信販売については、経過措置として旧税率の8%が適用されます。ただし、税率1%を前提とした契約であることが確認できる場合や、契約内容が変更された場合は、この経過措置の対象外となります。

2. 事業者向け特例措置:課税・申告・計算のポイント

消費税率の引下げに伴い、免税事業者から課税事業者への転換や、簡易課税制度の運用に関する柔軟な特例措置が設けられています。

  • 免税事業者から課税事業者になるための特例 令和9年4月1日の属する課税期間中に「課税事業者選択届出書」を提出すれば、その課税期間から課税事業者となることができます。この特例を適用した場合、令和9年1月1日から課税事業者となり、1月から3月までの販売には税率8%が、4月以降は1%が適用されます。なお、この特例を受けた場合は、令和9年および令和10年の2年間は課税事業者となります。また、インボイス発行事業者の登録を受ける場合、課税期間の途中から課税事業者となる経過措置も存在します。
  • 簡易課税から一般課税(本則課税)への変更特例 令和9年4月1日の属する課税期間中に「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出することで、その期間から一般課税による申告が可能となります。通常、簡易課税制度には「2年間の継続適用要件(2年縛り)」がありますが、この特例適用時には当該要件は適用されません。
  • 簡易課税制度の計算方法の特例 飲食料品の販売(1%対象)については、売上税額と同額を仕入税額として計上できる特例が設けられます。その他の売上税額には従来のみなし仕入率を乗じて計算します。この仕組みは、2割特例や3割特例を適用する場合も同様です。
  • 中間申告制度の特例 令和9年4月1日以後に開始する中間申告対象期間において、直前課税期間の飲食料品の売上・仕入に税率1%を適用したものとみなして消費税額を算出し、仮決算による中間申告書を提出することができます。この特例は、引下げ期間の終了時にも同様に設けられる予定です。

3. 飲食料品の総額表示義務の特例

消費税率の引下げおよび終了時の税率変更に際し、値札の貼り替え等の事務負担に配慮した総額表示の特例が設けられます。

  • 対象期間:令和9年2月1日から5月31日まで(および引下げ終了時の令和11年2月1日から5月31日まで)
  • 内容:税率変更に伴う総額表示の対応が困難な場合には、実際の支払額と誤認させないための掲示(税抜価格の強調や注釈など)を条件に、税率8%または1%に基づく総額表示が認められます。新旧税率の表示が混在する形での掲示も可能です。

4. システム改修および最新情報の確認方法

消費税率の引下げは、POSレジや受発注システム、会計ソフトなどの改修を必要とするため、国税庁は関連事業者向けに詳細情報を公開しています。

  • 公開資料とコンテンツ 特設サイトでは、制度の概要をまとめたリーフレットやパンフレットのほか、詳細なQ&Aが掲載されています。また、制度の概要を2分30秒ほどで解説する「概要版」動画と、詳細な解説を行う「詳細版(約28分)」動画も視聴可能です。
  • 相談窓口
    • 消費税軽減税率・インボイスコールセンター:0120-205-553(受付時間 9:00~17:00、土日祝除く)
    • 個別相談:所轄の税務署へ電話し、音声ガイダンスで「2」を選択することで面接予約が可能です。

公式サイトの最新情報を確認してください。

事前相談・ご意見を送る ▷

事前相談・ご意見を送る ▷