相次ぐ不正アクセスに注意。企業が今すぐ取り組むべき情報漏えい対策
1. 経営層が主導すべきサイバーセキュリティ対策
大量の個人情報を取り扱う事業者のシステムが不正アクセスを受け、データが窃取される事案が相次いでいることから、経営層がリーダーシップを発揮して、委託先を含めた対策の徹底を速やかに検討する必要があります。内閣官房国家サイバー統括室および総務省は、情報システムの安全管理を一部門の課題ではなく全社的な経営課題として捉えるよう注意喚起を行いました。
経営者は自社の情報システムにおけるリスクを認識し、必要な対策を優先的に実施できる体制を構築してください。特に、自社のみならず委託先を含めたサプライチェーン全体でセキュリティ水準を維持することが、情報漏えいを防ぐための不可欠な取り組みとなります。
2. 個人情報流出を食い止める「認証強化」と脆弱性管理
不正アクセスを未然に防ぐためには、脆弱性への迅速な対応と多要素認証などの導入による認証機能の強化が極めて有効な対策となります。総務省は具体的な要請事項として、以下の徹底を求めています。
- 迅速な脆弱性対応 情報システムに存在する脆弱性は、攻撃者の侵入経路となります。脆弱性が発見された際には速やかに修正対応を行い、攻撃の隙を与えない体制を整えてください。
- 多要素認証等の認証機能の強化 IDとパスワードのみによる認証は突破されるリスクがあるため、多要素認証を導入して認証の安全性を高めることが強く推奨されています。
また、万が一不正アクセスを許してしまった場合に備え、漏えいした情報の悪用を防止するための対策も併せて検討することが重要です。
3. 委託先を含めたセキュリティ体制の見直し
自社のセキュリティ対策を強化するだけでなく、個人情報の取り扱いを委託している先を含めて対策を徹底させる必要があります。今回の注意喚起では、委託先に対しても一層の徹底を速やかに検討するよう明記されました。
事業者は、パートナー企業や協力会社に対しても自社と同等のセキュリティ水準が求められていることを認識し、適切な安全管理措置が講じられているかを確認しなければなりません。委託先と連携し、組織全体としての防御力を高める対応を検討してください。
4. 大量の個人情報を扱う企業が特に注意すべき点
大量の個人情報や機微な情報を取り扱う事業者は、不正アクセスの標的となりやすく、ひとたび事案が発生すれば甚大な被害を招く恐れがあるため、より一層の注意が必要です。
本件に関しては、総務省だけでなく個人情報保護委員会からも「大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について」の注意喚起が行われています。対象となる事業者は、各機関が公開している以下の資料を参照し、自社の対策に漏れがないか改めて確認してください。
- 内閣官房国家サイバー統括室 不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた対応について
- 個人情報保護委員会 大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について
- JPCERT/CC 直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起